近年、マンションの管理組合様から「電動自転車対策」のお問い合わせを多くいただきます。この記事では、マンション駐輪場の電動自転車対策について詳しく紹介いたします。
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1993年にヤマハが世界初の電動自転車(電動アシスト自転車)を発売してから約30年。
国内の出荷台数は右肩上がり、2020年は過去最大の約74万台になりました。2021年も前年比108%の割合で伸びており、今後も伸び続けることが予想されます。
特に、ここ10年で急速に普及しているのが、子乗せタイプのもの。昔の子乗せタイプは、自転車にチャイルドシートをただ付けただけというものが多かったが、最新のモデルは、子供を乗せて走りやすくするために独自の進化を遂げています。
車輪が小さく重心が低いため乗り降りしやすく、タイヤも太く車体が安定しやすい設計。
チャイルドシートは、子供の頭部を包み込むようなヘッドガード、安全性の高いシートベルトやクッションが採用されるなど、子供を安心して乗せられるつくりになっています。また、自転車のバッテリーは、軽量化と大容量化が進んでいます。
電動自転車(電動アシスト自転車)の進化が、普及を後押ししている要因のひとつであることは間違いありません。
共働きで子供が保育園に通うことが一般的となった昨今、子育て世代にとって、一家に一台の電動自転車(電動アシスト自転車)が当たり前となりつつあります。
一方で、マンションの駐輪場では、電動自転車(電動アシスト自転車)の増加が問題となっています。
子乗せタイプの電動自転車(電動アシスト自転車)の重さは30kgを超え、チャイルドシートがあるため横にも縦にも広く、一般的なシティサイクルよりも大型です。電動自転車(電動アシスト自転車)の急速な普及に対し、その「重さと大きさ」を前提に、マンションの駐輪場は設計されていません。
また、マンションの駐輪場は、狭いスペースで効率よく多くの自転車を収容することが重視されるため、スペースに余裕がありません。
このような状況で、マンション駐輪場に電動自転車(電動アシスト自転車)が増えると次のような問題へと発展します。
・重量に耐えられず、自転車ラックが破損
・電動自転車(電動アシスト自転車)を収容すると、その両サイドや上段ラックが使用できない
・ラックとの干渉により、電動自転車(電動アシスト自転車)のセンサーが破損
・自転車が駐輪場から溢れだし、景観が悪化
特に下段が固定タイプの2段式ラックは、これらの問題を引き起こす原因になります。問題を放置すると、居住者の不満がたまり、モラル、マナーの低下にも繋がりかねません。
これらの問題が目に見えるかたちであらわれる前に、対策を検討しましょう。
可能であれば、電動自転車(電動アシスト自転車)は専用駐輪場を「駐車場や車道から離れた場所」に設置することをお勧めします。
自転車を出し入れする際、親は荷下ろし等で待機している子供からどうしても目を離してしまうときがあります。子供は好奇心旺盛でじっとしていることが苦手、ふとしたきっかけで駐車場などに飛び出してしまうかもしれません。
駐輪場が駐車場や車道から離れていれば、このような心配をする必要はありません。
車から駐輪場を遠ざけることで、子供の安全と親の安心を確保できます。
先にも述べた通り、駐輪場が電動自転車(電動アシスト自転車)の「重さと大きさ」に対応できていないことが問題の原因です。
これらの問題を解決するには、まず「電動自転車対応の自転車ラックの採用」が重要です。
この記事の監修
株式会社ビシクレット
駐輪場ひとすじ26年、 納品実績18,000件以上の駐輪場専門の会社。
マンション、自治体、商業施設、民間の駐輪場を中心に、設計から販売、設置、運営管理までワンストップで対応。平成29年度駅前放置自転車対策事業に関し東京都より感謝状を受贈。
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